へべすのルーツと「へべすの日」

公開日:2021.08.30

江戸時代末に市内西川内の長曽我部平兵衛(ちょうそかべ へいべえ)が、山中に自生する木酢(きず)を発見したことから、平兵衛さんの酢で「平兵衛酢」。日向市発祥の香酸かんきつとして、親しまれております。

 

今回は平兵衛さんの子孫にあたる日向市西川内区長の長曽我部武光(たけみつ)さんを訪ねました。


*平兵衛酢(へべす)を手に持つ、長曽我部武光さん。

武光さんは平兵衛さんから数えて4代目にあたるそうです。

 
長曽我部平兵衛さんの生家と同じ場所に武光さんのご自宅があります。築80年ぐらいなので正確には平兵衛さんが生まれた頃から立て替えているとの事。写真は、母屋に隣接するかつて牛小屋などに使われていた建物。梁が太く立派です。母屋も築80年ほどでした。

 

樹齢70年ぐらいのへべすの木も、確認できました。今現在も平兵衛さんの生家の敷地で実がなっています。

*手前が樹齢約70年のへべすの木。
奥に建物が見えます。


*幹が太くて立派です。地面の下で幹が繋がっています。地上に出ている枝でも太さ20cm以上はありました。


*樹齢70年の木に実る「へべす」。

 

初めて知りましたが、この木の隣には見た目は似ていますが中身が違う「そよみ」という果実があります。平兵衛さんの奥様の名前という言い伝えもあります。外からの見分け方は、後ろのヘタが窪んでいる方が平兵衛酢との事。包丁で切ると色の違いで判別できます。へべすより果実のオレンジ色が濃いですね。

*そよみの方が、ふくらんでいます。へべすは窪んでいます。


*左が「そよみ」、右が「へべす」。

写真の通り種が多いですが、時代を経て種が少ない株を取捨選別しながら、今現在の「種が少ない」へべすが流通するようになりました。先人の方々の努力のおかげですね。

 

今回の取材の目的は、上記のように、へべすのルーツである長曽我部家の確認と、、、、

9月6日は「へべすの日」。記念日認定のご報告!!

 

早速、日向のへべす消費拡大プロジェクト会議副会長の黒木公作さんから一言、

以下のやりとり↓↓↓

黒木公作:「9月6日をへべすの日として記念日登録させていただきました。へべすの旬の時期であるのと、、、平兵衛さんの生まれた日もその日。らしいですね。」

長曽我部武光:「じゃがじゃが。そうらしいじゃが。」


*へべすをふるまいながら、受け答えする武光さん。左は黒木公作さん。


*記念日制定のめでたい報告もあってか、早速、樹齢70年のへべすの木から実を刈り取る武光さん。お土産に頂戴しました。

 


*確認者(左から)
・黒木公作さん(日向のへべす消費拡大プロジェクト会議副会長)
・垣内共子さん(長曽我部武光さんの親戚)
・長曽我部武光さん
・日向市役所ふるさと物産振興課:葉上
*撮影
・日向市役所ふるさと物産振興課:砂原

 

垣内共子さんも長曽我部家の親戚です。
武光さんのおじいさんが共子さんの曽祖父にあたります。

 

最後に、長曽我部武光さんの平兵衛酢は、基本的に知り合いに配る分だけの量しかないとの事でした。筆者は運よく平兵衛酢をいただきましたが、もちろんお味は、、、、内緒♪♪

 

全国のへべすファンの皆様、平兵衛酢のルーツめぐりの記事でした。これからもどうぞ日向市発祥の香酸かんきつ:平兵衛酢をよろしくお願い申し上げます。

 

*追記
長曽我部家の墓標には「平蔵」とありました。武光さんや親族の垣内さんのお話によると本名は「平蔵」だが、通称が「平兵衛」と言われていたのだろうとのこと。